
2024年10月 56 件(ベトナム語 54件、インドネシア語 1件、フィリピン語 1件)
2024年11月 36 件(ベトナム語 33件、フィリピン語 1件、クメール語 2件)
2024年12月 35 件(ベトナム語 29件、インドネシア語 4件、フィリピン語 2件)
2025年1月 20 件(ベトナム語 15件、インドネシア語 1件、フィリピン語 2件、クメール語 2件)
★ 4ヶ月の合計 147 件
★ 相談者の国籍:ベトナム 131、インドネシア 6、フィリピン 6、カンボジア 4
★ 相談者の性別:女性 64、男性 83
★ 相談者の住所地:関西 35、関東 46、中部 28 など
★ 相談者の在留資格:技能実習 71、特定技能 25、技術・人文知識・国際業務 37 など
★ 相談内容:労働 116、在留資格 42 など
【相談事例から】
技能実習生
・ 2024年5月来日。日本人上司による暴言、暴力があり、9月21日以降はほぼ毎日の状況だった。耐え切れず10月3日に仕事の途中で帰宅し、次の日は休んだ。翌日出勤したら仕事をしなくていいと言われ、監理団体に転籍したいと相談したところ、次の会社は自分で探せと言われた。(建設)
・ 2024年2月来日。日本人従業員からひどいパワハラを受けている。仕事場にスマホを持ち込むことができないため録音はない。監理団体には相談し転籍したいと訴えたが、どうなるかはわからない。OTITにも相談したいが、すぐに転籍できるわけではなく、相手に相談したことが知られパワハラがひどくなるのではないかと思うと躊躇してしまう。(食品加工)
・ 2024年7月来日。受け入れ先は社長夫婦と息子で運営している農家。相談者は社長の家の1階に住んでいる。2階に住んでいる70代の社長が、夜にカギをあけて部屋に侵入し、寝ている相談者の横に来て胸を触ったりしてくる。ナイフを持って入ってきたこともあった。監理団体に訴えたが、とくに何もしてくれていない。(農業)
・ 前の会社で日本人従業員3人から日常的に暴力を受けていた。金属の資材を運んでいて後ろから膝の裏側を蹴られた時、落とした資材が足にあたった。3ヶ月以上前のことだがまだ痛みが残っている。今は転籍して働きはじめているが、暴力について加害者や会社から謝罪もない。公正な対応をしてもらいたい。(鉄筋施工)
*技能実習生からは、暴力、パワハラ、セクハラの相談が目立った。暴力などを受けた会社からは転籍できたが、人権侵害への謝罪や補償はほぼされていない。
暴行事案で労組に加入して交渉した結果、会社に慰謝料を支払わせた事例が1件、解雇事案で労組から申し入れを行ったところ、すぐに解雇が撤回された事例も1件あった。
特定技能1号の労働者
・ 技能実習1号(仕事はコンビニの仕分け)を修了後、農業の特定技能1号への変更申請を行い許可された。しかし会社は、会社の貸与した自転車を相談者が通勤に使用せず、自分で買った電動自転車で通勤したことを理由に解雇した。
・ 2017年技能実習生として来日。2020年飲食料品製造業の特定技能に移行して働いている。寮でカラオケをしたことが規則違反ということで、「解雇」と言われている。ただ解雇通知は出されておらず、相談者が解雇なら通知を出してくれと言っても、「自分で退職届を書け、日本では会社を辞めるときは退職届を書かなければならない。書かないと、離職票や源泉徴収票を出さない」と言われ続けている。自分は会社を辞めたくない。今のところ出勤はできている。
・ 介護の特定技能。デイサービスの施設で働いているが、転職を考えている。東京の会社と面接し合格した。しかし、今の会社で働くことを斡旋してくれた同国人から、転職先が今の会社に82万~85万円の費用を支払わねばならない。そうしないとあなたはブラックリストにのって、二度と母国に帰れなくなると脅されている。大使館に相談し、そんな決まりはないこと、労基署に相談に行くようにアドバイスされたが、心配でしかたがない。
・ 2024年2月に建設の特定技能1号として来日。7月に会社を辞め次の会社に移るときに、登録支援機関から特定技能準備のための特定活動に変更すればすぐに働けると勧められ手続きをした。特定活動6ヶ月が認められ、2025年1月まで働けるが、同じ会社の先輩が、特定技能に変更しないまま特定活動で1年以上働いている。登録支援機関に聞くと、会社がある認可の申請をしているが、それがなかなか許可されないので時間がかかっていると説明された。心配になって転職のため就職活動もしているが、他の登録支援機関から今の在留資格では受け入れられないと断られている。
*特定技能の労働者からは、仕事とは関係ない私生活上の問題で解雇されたという相談があった。技能実習生とよく似た状況であることがうかがえる。転職しようとしたらブローカーから脅されたという相談や、特定技能準備中の特定活動が、受入れ会社によって安易に利用されていることが疑われる事例もあった。
技術・人文知識・国際業務の労働者
・ 日本にある同国人経営の人材開発会社が技術・人文知識・国際業務の労働者を募集。その募集に応じて来日したが、会社は労基法違反だらけ。最低賃金違反。残業代未払。社会保険・厚生年金・雇用保険未加入、有給休暇なしなど。業務内容も異なっている。
・ 2024年6月にリサーチの仕事をするということで、3年間の技術・人文知識・国際業務の在留資格で来日した。しかし実際にはまったく違う仕事をさせられ、月給22万円の約束だったが12万円しかもらっていない。朝7時半から夜21時まで、休みは日曜日だけという状態で働かされている。
・ 会社から技術・人文知識・国際業務の在留資格だと現場に出られないので、特定技能の在留資格が必要と言われた。在留期限は2025年2月5日で更新はしてくれると言われているが、その時は特定技能1号となるということだろうか?相談者は電気系の大学を出て技人国のビザを取得した。
・ 2024年5月来日。最初の会社では仕事がなく働くことができなかった。次の会社で就労資格証明書も取ってエンジニアとして働いている。しかし、会社が関連会社で働かせるために、特定技能1号に在留資格を変更するように言ってきた。その会社で特定技能の労働者が増えたら、技術指導と通訳の理由で技術・人文知識・国際業務の在留資格に戻すと言っている。これに応じなければ解雇だとも言われているが、どうすればいいか。
・ 2024年2月に在留資格認定証明書交付申請を行った。10月11日に友人に問い合わせてもらったところ、審査は終わっていると言われた。しかし、本国の斡旋会社は結果を教えてくれない。日本の会社の名前もわからない。入管への情報開示で提出資料を手に入れてほしい。うわさによると、この会社の受入れで来日後、仕事がなくて困っている人たちもいるそうである。
・ 2024年10月来日。送り出し機関に6000ドル支払った。書類はすべて送り出し機関の人が署名し、相談者は雇用契約書も持っていない。日本で派遣会社に雇用されると聞いたが、来日後ある会社と面接し他の地方に移動したので、来日前に契約した会社から別の会社に移されたのではないかと疑っている。来日以降派遣先がなく、面接を2回したが2回とも不合格だった。今派遣会社の寮にいるが、派遣会社には仕事先が見つかるまで自分たちに無償で住まいを提供し、生活の面倒をみる法的な義務があるか知りたい。
*技術・人文知識・国際業務の労働者からは、来日後在留資格に見合った仕事ではなく、労基法違反の労働条件で働かされているという相談や、会社から特定技能への在留資格変更を指示されたという相談があった。多くの労働者が派遣会社と雇用契約を結び来日しているが、来日後派遣先がないという事例が少なくない。相談者が雇用先である派遣会社の名前を知らないことさえある。情報開示の依頼があったケースでは、情報開示の結果、雇用先の会社が8月に申請を取り下げていたことがわかった。